自宅で過ごしながら介護保険サービス(居宅サービス)を利用するためには、居宅介護支援事業所等と契約し、ケアプランを作成してもらうことが必要です。利用者や家族も作ることができますが、現実には難しいでしょう。一般的には、要介護の場合は居宅介護支援事業所、要支援の場合は地域包括支援センターに依頼することになります。ここでは、居宅介護支援事業所についてお話しさせていただきます。
居宅介護支援事業所を選ぶ
居宅介護支援事業所を選ぶといっても、どうしたらいいか分からない。
初めて介護保険サービスを利用するという方は、多くの方が、そのように思うのではないでしょうか。
そこで、居宅介護支援事業所を選ぶに際して、気に留めておいた方がいいのではないかと思ういくつかの点をご紹介いたしますので、参考にしてみてください。
自宅からの距離
自宅から近い居宅介護支援事業所にすることをおすすめします。
介護サービス利用中は、ケアマネとの連携が大切です。普段からのコミュニケーションはもとより、緊急時の対応でも遠いよりは近い方が、より速やかに対応してもらえることでしょう。
実際の介護では、電話1本で簡単に済むことから自宅に来てもらい実際に現状を見てもらわないと分からないことまで、様々な場面が展開するものです。
市区町村、又は地域包括支援センターの担当窓口で、事業所のリストをもらい、近隣の事業所を確認してみてください。
厚生労働省のサイトを貼っておきましたので、こちらからでも探すことができます。
【サイトを開いたら、次の順にクリックしてみてください】(クリックのみの検索例)
「都道府県」→「介護事業所を検索する」→『他の条件で探す』の「目的や場所に合わせて介護事業所を探す」→『受けたいサービスを選択してください』の「介護の相談にのってもらう」→『サービスを受けたい地域を選択してください』の「地図から探す」又は「市区町村から探す」:市区町村を選択したら→「検索する」
単独事業所か併設事業所のどちらにするか
どちらにしても大差ない、というのが私の結論です。
居宅介護支援事業所には、「単独型」と「併設型」とがあります。
単独型の居宅介護支援事業所(単独事業所)とは、その名のとおり居宅介護支援事業所のみで独立して活動している事業所です。
併設型の居宅介護支援事業所(併設事業所)とは、他のサービス事業所(訪問介護、訪問看護、デイサービス、ショートステイなど)に併設している事業所。経営主体が同じである複数のサービス事業所の中の一つとして活動している事業所です。
単独であっても併設であっても、重要なことは、利用者本人や家族の実態や要望に沿った的確で質の高い現実的なケアプランに基づいて介護サービスが展開できるかどうかなのです。
その事業所の実質的な経営方針や所属しているケアマネジャーの質によるところが大きいのです。
と言いましても、こればかりは実際に利用してみないと分からない、のが現実ですが。
ただし、デイサービスやショートステイに併設していれば、併設しているデイサービスやショートステイを利用しやすい傾向にあると思います。
ケアマネとの関係性
担当ケアマネが信頼できることのワンポイントです。
こちらも、実際に利用してみないと分からないことですが、介護保険サービスの利用などについて、気軽に何でも相談できる関係であることが理想だと思います。
信頼関係を作るのは、ケアマネの責務でもあります。利用者本人や家族は、担当ケアマネを自由に選べないのが実情です(担当ケアマネや居宅介護支援事業所を変更することはできます)。
居宅介護支援(ケアマネジャーを依頼したいと)の希望があれば、選定先の居宅介護支援事業所に所属するケアマネが担当として任命され、利用者本人宅を訪問し契約を締結するというのが基本的な流れです。
以降、サービスが終了するまで、特別な事情がない限り、担当ケアマネとして関係(電話や相談、書面等のやり取りなど)が継続することになります。
料金について
居宅介護支援事業所のケアマネにケアプランを作成してもらうにあたり、料金はかかりません。
つまり、居宅介護支援の利用者の自己負担額は0円ということです。
これは、全額が介護保険から支払われるからです。
居宅介護支援…利用者が、できる限り自宅で自立した生活ができるようにケアマネジャーが個別のケアプランを作成し、そのプランに沿った適切なサービスが受けられるように事業者や関係機関との連絡・調整をすること。