【施設入所】介護福祉施設への入所を考えるとき

特別養護老人ホームと杖をついている高齢男性

加齢や病気・ケガ等により、自宅での生活に誰かの支援・援助がないと不安を感じるとき、生活に支障が出てきたときが施設での生活を考えるときだと思います。ここでは、筆者自身の今後を想定して、施設入所について考えていきます。

目次

日々の生活

日常生活の基本は何かを考えてみました。

食事、トイレ、睡眠の三つが生活の基本中の基本だと考えます。
もう一つ付け加えるとすれば、入浴でしょうか。

これらの事を中核として、掃除・洗濯・余暇活動などで日常生活が形作られていると思います。

そして、食事をしたり、トイレに行ったり、ベッドに横になったりするためには、身体動作が必要になってきます。

起居動作

起居動作とは、寝返りや起き上がり、立ち上がりや座る(座位保持)などの基本的な動作のことです。

この動作が、誰の力も借りずに自分だけでできなければ、独力での生活は困難です。

移動

移動ができなければ、日常生活は成り立ちません。

自宅において、台所、洗面所、トイレ、ふろ場など、どこに行くにも移動が必要です。

今の私は、杖や歩行器など使うことなく、当たり前のように自分で歩いて行くことができます。

しかし、加齢とともに身体機能は低下し、いずれは移動することが困難になってしまう時期が来るでしょう。
あるいは、予期せぬケガや事故、病気の発症により、突然、その時が訪れることもあり得ないことではありません。

そのときが、自宅での生活を継続できるか否かの分岐点です。

在宅生活を継続するためには

加齢に伴い身体機能が低下し起居動作や移動に支障が出てきてしまうのは、致し方ないことでしょう。

それに伴い自力生活が困難になってきたからといって、即座に施設入所では、さびしい限りです。個人的には、少しでも長く住み慣れた自宅での生活がしたいと思います。

そのためには、誰かの力を借りて在宅介護を受けることになります。

家族の援助

まずは配偶者、子ども、兄弟姉妹の順になるでしょうか。

子どもや兄弟姉妹に頼ることは、それぞれの生活があるので、かなり限定的なものになるでしょう。
状況によっては、全く受けられないこともあり得ます。

家族では補えない部分は、公的サービス等で支えていくことになります。

介護保険サービスの利用

介護保険の居宅サービスを利用します。

居宅サービスには、訪問サービス、通所サービス、短期入所サービス、福祉用具レンタル等があります。

サービスの導入にあたっては、本人の能力や家族の介護力等を考慮し、各種サービスを複合的に利用していくことになるでしょう。

◇居宅サービスを利用するには【居宅サービス利用】居宅介護支援事業所の選定を参照願います。

決断するとき

在宅介護の限界を迎えた時、それが施設入所への決断のときです。

では、在宅介護の限界には、どのような状況があるでしょうか。

医療ケア

常時・定時・随時の医療ケアが必要になってきたら、在宅での生活を維持することは難しくなるでしょう。

訪問看護での対応ができるか否かが分岐点になると考えられます。

この場合、医療ケアの内容や頻度によっては、施設での受け入れは困難で医療機関へ入院となるケースもあります。

認知症の進行

見当識障害や徘徊が進行し、外出したら自宅へ戻れなくなってしまうことがあります。

散歩に出たまま帰って来られず近所の方に発見されて連れ戻されたり、警察に保護されたりするケースがあります。

このような状態になったら、在宅生活は、かなり難しいでしょう。

また、鍋を火にかけたことを忘れてしまうなど、火の始末がおろそかになってしまうことがあります。
これは、火災を引き起こしてしまうなど命にかかわる危険性があります。

この場合も、施設での生活を視野に入れた方がよいかも知れません。

家族関係の悪化

介護してくれる家族との関係が良好でなくなってきたときです。

介護者の表情が険しかったり、言葉づかいが荒くなってきたり、イライラしたりするなどの言動が見られたら、介護者に過度な負担がかかっていて疲労が蓄積されてきている可能性があります。
逆に、活気がなく気持ちが沈んでいたり、口数が減ったりする場合もあります。

人間ですから、一時的に、そうした状態になることもあるでしょうが、それが常態となると、話は違ってきます。

こうなると、介護する側も介護される側も、気持ちのいいものではないと思います。

介護者である家族に、すぐにでも休息をとってもらいましょう。
通所系サービスや短期入所サービスを利用して、介護から一時的に離れてもらい、心身共にリフレッシュしてもらうことが必要です。

それでもなお、介護者である家族との関係が改善されないようであれば、施設入所を検討するときでしょう。

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