日本の平均寿命は、男性81.41歳・女性87.45歳、健康寿命は、男性72.68歳・女性75.38歳とのこと(2019年)。この年齢を目安とするならば、現在62歳の私に残された余命は19年、健康余命は10年ということになります。余命と健康余命との差が、9年あります。この間は、程度の差こそあれ、何らかの介護を受けないと生活できない期間です。これからの人生、寿命と健康寿命の差が、できる限りなくなるようにしたいと思っています。なぜなら、今後の介護業界の人材事情を考えれば、できるだけ健康寿命を延ばす=自力での在宅生活を維持することが「幸福な人生」につながると考えるからです。ここでは、健康寿命をいかにして延ばすかについて、運動機能の観点から学んでいきたいと思います。
運動能力をできるだけ長く維持すること
在宅生活を維持できなくなる最大の原因は、自力で動けなくなることです。
これには、運動器の障害(転倒、骨折や関節の病気など)が関係しています。
運動器とは、骨、筋肉、関節、神経などが連携し、立ったり歩いたりなどする運動(身体を動かすこと)のために必要な仕組みの総称です。
これらのひとつでも障害があれば、運動がうまくいかなくなるのです。
障害の原因には、老化、骨折、脳血管障害など、種々の事象が考えられますが、運動器の機能を維持し自身で移動できることが、自力で在宅生活を継続できることにつながるのです。
ロコトレへの取り組み
「ロコモーショントレーニング」、略して「ロコトレ」です。
足腰の機能維持・低下予防のための運動で、「スクワット」と「片脚立ち」です。
お試しになる際は、無理せず、自身の状態を把握し、慎重に行うことをお勧めします。
機能維持・低下予防のための運動で、ケガをしてしまっては、本末転倒です。
◇こちらのサイト『ロコトレ|ロコモ ONLINE』(日本整形外科学会 ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト)を参考にしています。
スクワット
5~6回を1セットとして、1日3セットを目安に行います。
下肢筋力をつけるのに役立ちます。
足を肩幅に広げて立ち、尻を後ろに引くようにして2~3秒間かけて、ゆっくりと膝を曲げ(90度を大きく超えないように)、ゆっくり元に戻ります。
この際、両腕を前に伸ばすと身体のバランスを取りやすくなります。
膝や太ももに負荷がかかりますので、初めのうちは、様子を見ながら慎重に行うことをお勧めします。
スクワットができない場合は、椅子に腰かけて机に手をついて立ち座りの動作を行ってみてください。
片脚立ち
左右ともに1分間を1セットとして、1日に3セットを目安に行います。
バランス能力をつけるのに役立ちます。
転倒防止のため、必ず、しっかりとしたつかまれるものがある場所に立ちます。
支えが必要な場合は、机など、しっかりと支えになる物に、手や指先をついて行います。
まとめ
介護を受けることなく自宅での生活をできるだけ長く続けていくためには、運動器を維持することが必要であるとの観点から、ロコトレへの取り組みについて学び、実践することにしました。
1日でも長く健康寿命が延ばせるように無理せずマイペースで、継続的にロコトレに取り組んでいきたいと思います。